保険は入るべき?「払えない損」にだけ備える考え方
スマホの修理保険は得か損か。期待値で比べると見えてくる、保険の本当の役割と、入るべきとき・入らなくていいときの見分け方。
スマホを買うと、よく「月500円の修理保険に入りませんか?」とすすめられます。壊れたときに安心なのは確かです。でも、お金の面ではどうでしょうか。期待値で比べてみましょう。
期待値で比べてみる
1年でスマホを壊す確率が10%、修理代が2万円だとします。
保険に入る:保険料 500円 × 12か月 = 毎年 6,000円
入らない:2万円 × 10% = 平均 2,000円 の損
平均すると、保険に入るほうが年4,000円も多く払っていることになります。保険会社も会社なので、集めた保険料が払う保険金より多くなるように作られているのです。
それでも保険が大事な理由
では、保険はすべてムダなのでしょうか。そうではありません。保険の本当の役割は、自分ではとても払えないほど大きな損に備えることです。
たとえば家が火事で燃えたら、何千万円という損になります。起きる確率は低くても、もし起きたら人生が立て直せなくなるかもしれません。こういう損は、平均では少し不利でも、保険で備える価値があります。
見分け方は「その損を自分で払えるか」
- 自分で払える損(スマホの修理、小さなケガなど):保険より、その分を貯金しておくほうが平均では得。
- 払えないほど大きな損(家の火事、大きな事故、重い病気など):保険で備える。
スマホの例でも、もし2万円の出費で生活が本当に困るなら、保険に入るのは合理的な選択です。正解は人によって違います。
会社の経営でも同じ
会社も、工場の火災や大きな事故には保険をかけますが、小さなトラブルは自分たちのお金で対応することがよくあります。経営の神様と呼ばれた松下幸之助は、いざというときのためにお金や設備に余裕をためておく「ダム式経営」を説きました。これは、小さな損を自分で吸収できる力をつけておく、という考え方です。
「安心」にはお金がかかります。何に安心を買い、何を自分で引き受けるのか。それを決めるのも、立派なリスクの判断です。
この記事は、診断の「スマホの保険」の問題をもとにしています。