サンクコストとは?使ったお金にこだわると失敗する理由
「もったいない」が判断をくるわせる。もう戻らないお金(サンクコスト)に引きずられないための考え方を、売れ残りの例で解説します。
10万円かけて作ったオリジナルTシャツが、半分売れ残ってしまいました。値下げして売り切るべきか、もったいないから定価のまま待つべきか、それとも広告を出して挽回するべきか。こんなとき、多くの人がおちいるワナがあります。
サンクコスト=もう戻ってこないお金
サンクコスト(埋没費用)とは、すでに使ってしまって、どんな選択をしても戻ってこないお金や時間のことです。Tシャツの例なら、作るのに使った10万円がそれにあたります。
大事なのは、この10万円は、これから何を選んでも変わらないということです。だから本当は、判断の材料に入れる必要がありません。
「もったいない」が判断をくるわせる
ところが人は、「10万円もかけたのに安売りするなんてもったいない」と感じてしまいます。その結果、売れないまま在庫を抱え続けたり、さらにお金をつぎこんだりしがちです。これを「サンクコストの誤り」と呼びます。
有名な例が、イギリスとフランスが共同で開発した超音速旅客機「コンコルド」です。途中で採算が合わないと分かっても、それまでの巨額の開発費を理由に計画が続けられました。そのため「コンコルド効果」とも呼ばれます。
考えるのは「これから先」だけ
正しい考え方は、過去を切りはなして「今から選べる道のうち、どれが一番得か」だけを比べることです。
- 定価で待つ:売れる見込みが低いなら、お金は在庫のまま眠り続ける。
- 半額で売り切る:もうけは小さくても、お金が手元に戻り、次の商品に使える。
- 広告で挽回:広告費が、それで増える売上より安いときだけ意味がある。
多くの場合、在庫を現金に戻して次のチャンスに使うほうが、結果的に得をします。
身近なところにもあるサンクコスト
つまらない映画でも「チケット代がもったいないから」と最後まで見てしまう。もう使わない参考書を「高かったから」と捨てられない。どれもサンクコストに引きずられた行動です。
「やめる」「切りかえる」のは、負けを認めるようでつらいものです。でも、優れた経営者ほど、ダメだと分かった時点で早く手を引き、次の勝負にお金と時間を回しています。
この記事は、診断の「売れ残り」の問題をもとにしています。